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ベルリンで貴重な夜を過ごすのであれば、やはりクロイツベルクに行きたい [地球探訪記]

 エアフルト大学の知り合いが、ベルリンにも家を持っているのでベルリンに来れば、と言ってくれたので図々しくも一泊だけ居候させてもらう。貴重な一回しかないベルリンの夜。どこに行きたいかと言われたので、当然、クロイツベルク。ベルリンの下北沢のような街である。ここは80年代に高速道路の開発計画がつくられ、実際、遂行されそうになったのを住民のレベルで阻止することに成功する。実際、計画が実行されることが前提とされ建物が倒壊された後につくられた建物(クロイツベルク・マルクトの建物)もできたりしたのだが、道路自体の阻止には成功する。そして、駐車場なども幼稚園に変容されたりもしたのだ。ベルリンの中でも最も魅力的なクロイツベルクが今日あるのは、この道路建設に反対して、阻止した住民がいるからだと思う。
 今では東ベルリンと西ベルリンが統一されたが、まだ分離されていた頃のベルリンというのは特殊な都市であった。そこは、社会主義の中にポツンと島のように存在する資本主義、市場経済、民主主義の租界地区であった。そして、そのベルリンの中でも、ベルリンという体制に反旗を翻すほど民主主義的な地区がこのクロイツベルクであった。ベルリンにおける多様性、自由、オルタナティブ、サブカルチャーなどの概念が象徴化されたような地区がクロイツベルクである。今となっては、ルー・リードの『ベルリン』やボウイのベルリン3部作から、そのイメージを喚起させるぐらいしかできないが、極めて尖ったベルリンを担っていたのがクロイツベルクであろう。
 現在では、クロイツベルクの文化的なアイデンティティも随分とジェントリフィケーションされ、ドイツ語がしゃべれないアメリカ人がバーテンダーをするようなバーが増えてしまっていたりするが、それでも外国人の私なんかからすると十二分に刺激的であるし、都市的な楽しさに溢れている地区である。
 エアフルト大学の知り合いの好意のおかげで楽しいベルリンの一夜を過ごすことができた。

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(クロイツベルクで人気のアイスクリーム屋)

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(高速道路がつくられることを前提に建設されたクロイツベルク・マルクト)

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(駐車場はなんと幼稚園に転用された)

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(クロイツベルクのバー。この店もドイツ語が拙いアメリカ人がバーテンダーをしていた)





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