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「玉川上水と生物多様性」の講演に、あまりに多くの人が聞きに行ったので驚く。 [サステイナブルな問題]

「玉川上水と生物多様性」の講演を武蔵小金井に聞きに行く。「小金井玉川上水の自然を守る会」が主催での講演である。私はちょっと遅れて訪れたのだが、驚いたのは、その参加者数の多さである。250人以上は入っているだろう。生物多様性について、一般市民の強い関心が伺える。ほぼ高齢者であるが、なかには若者もいる。
 講演者は3名。最初は東京学芸大学名誉教授の小泉武栄先生の話である。玉川上水の生態系についての講演であったが、小平駅を南北に通り、玉川上水を分断する道路について、強い懸念を示していることを話して、私は目が覚める。私はこの道路に関しては、むしろコミュニティ分断といった点、生活アメニティの悪化という点から懸念を抱いていたが、生態系的にも大変深刻なダメージを与えることを専門家は考えていることが分かった。
 また、小泉先生が話されたことで、私が興味を抱いたのは、東京都には自然史博物館がなくて、恥ずかしいという指摘であった。科学博物館はあるが、それは国のものだけで東京のものは展示していない。伊豆諸島や奥多摩だけではなく。武蔵野台地にも都心にも調べれば面白いものがあるのだが、そういうものがない。先生はオリンピックの記念事業でそのようなものをつくるべきだと述べていたが、私は、それこそ築地市場跡地につくるべきものではないかと思ったりした。現在は、食のテーマパークをつくるような計画を考えており、隣接する市場外の民間企業が強く反発していたりする。和食博物館、みたいなものや料理学校のようなものであればまだしも、テーマパークという発想が本当、センスがない。そもそも、築地市場のようなオーセンティックな施設のあとに、偽のテーマパークを公共用地の跡地につくるという発想を、そこらへんの素人が出すならともかく、東京都庁が出すというのは根源的に行政の役割を分かっていないのではないか。都庁の職員達はエリート集団である。どうして、こんな発想が出てくるのかが不思議だ。
 閑話休題。話が横にそれたが、そんなテーマパークをつくるよりかは、この浜離宮に隣接し、東京湾という素晴らしい自然に隣接する、この築地市場跡地に自然史博物園をつくるのは、なかなかいいアイデアなのではないだろうか。
 次は明治神宮の自然に詳しい新里達也先生の講演である。明治神宮の豊かな自然がよく分かる講演が為されていたが、このような話も前述の自然史博物館で展示されたりすると、国民だけではなく、インバウンドの観光客が日本の理解を深めるうえでも役に立つであろう。
 三番目は、国連生物多様性の 10 年市民ネットワーク代表である坂田昌子氏である。琵琶湖の生態系がどんどんと貧相になっている、という話をされた。生物多様性とは、命の循環がうまく回っている状態、であると言う。また、生物多様性と人との関わりとが重要であると言う。さらには、地域絶滅という概念の話も私の興味を惹いた。ツキノワグマは九州では絶滅、四国でもほぼ絶滅したそうである。そうすると、ツキノワグマの遺伝子の多様性は随分と脆弱になっているようだ。その種が例え、絶滅していなくても、九州ツキノワグマは本州ツキノワグマと同じようで全く同じという訳ではないようなのだ。そういうことは、私は勉強不足でもあり、知らなかった。
 なかなか勉強になった。資料代ということで300円支払ったが、もっとお金を取ってもいいのじゃないか、という有意義さである。というか、立ち見も出たので、それはちょっとだけ運営側としては問題であったかもしれない。これを料金を取ることで調整できるのであれば、特に私のように地元以外での人からはとってもよかったかとも思う。
 それにしても、こんなに人々は生物多様性とかに関心を持っていたのだな。これは驚きと同時に、民主主義的なパワーも感じる。というのも、行政が自然や生態系を維持できない時、それらを守ろうと動き始めるのは市民であるからだ。それはイギリスでもアメリカでもそうである。

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