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上蒲刈島を訪れ、地元お土産のブランド展開には繊細な配慮が必要だと思う [地域興し]

広島県の上蒲刈島と下蒲刈島を訪れる。呉からちょっといった瀬戸内海に浮かぶ島である。これら二つの島は安芸灘大橋という通行料700円の有料道路で本土と結ばれている。風光明媚ななかなか感じのいい島である。さて、この蒲刈島は通産大臣賞も受賞した「海人の藻塩」という古代の製法を真似してつくった天然塩が有名である。これを買うために上蒲刈島にある「であいの館」という蒲刈町観光協会(自治体的には、現在は市町村合併したので呉市になっている)が運営している道の駅のような物販店を訪れる。「蒲刈特産品販売」と大きく宣伝している。
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さて、「海人の藻塩」を手に入れたが、ついでにちょっと他の特産品もいいものがないかと物色する。「たこかまぼこ」や「たこ天」などに興味が惹かれるが、原材料をみると、ソルビットがたっぷり入っているような感じである。まあ、ソルビットが悪いとは言わないが、身体がよくない自分にとって敢えて買う必要はないな、と思う。そこで、さよりのみりん干しが目に付いた。結構、美味しそうだし、ソルビットも含まれていない。これならいいかな、と思いレジで払おうかと思ったら、「原産地=中国」と書かれている。蒲刈の特産品を売っているのじゃないか、ここは。隣町や瀬戸内海のものならともかく、中国というのはちょっと違うのじゃないか。もう買うつもりはまったく失せたが、レジの販売員に、「特産品売場で中国原産のものを売っているのは、どういうことなんですか」と尋ねると、「いや、そのさよりは特産品とは書いていないはずですよ」と全く恥じることなく回答してきた。たしかに、隣においてあるちりめんとかは蒲刈特産品と書いているが、さよりには書かれていなかった。しかし、この店自体が特産品販売とでかでかと店の前に旗で宣伝しているし、中国産をあえて売る必要もないだろう。現に私も特産品と思って間違って買おうとしてしまったし。「しかし、そういうことをやっていると、この塩とかも本当にここのものか怪しいと思ったりするので損なんじゃないですか」と問うと、「いや、この塩はここのもんですよ」と、細かいことを言う客だな、と不愉快そうに答える。
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このレジ店員はアルバイトではなく、この蒲刈町観光協会の職員らしかったが、その対応をみて、馬路村の地元ブランドづくりの徹底した管理、ブランドとしての信用づくりへの誠実な努力の積み重ねを思い出した。馬路村とはなんと違ういい加減さと真摯さの欠如なのであろう。「海人の藻塩」は、通産大臣賞を受賞しているし、しっかりと賞品の信頼を高めるような努力をすれば、蒲刈町の知名度を高めるし、その知名度を活かして町の名前をブランド化させることも可能である。そのような恵まれた状況であるのに、蒲刈町観光協会が主催する特産品販売が、中国産のさよりのみりん干しを売るというのは、一体、何を考えているのであろうか。中国産のさよりのみりん干しを売ってしまうことで、まず、この特産品店の信頼が損なわれる。特産品を売っているというような宣伝をしておいて、実際は特産品以外のものも売っている訳である。たまたま、私は身体がよくないので原材料とかをチェックして買う習慣があるので、気がついたが、通常の人達は気がつかないで特産品だと思って買ってしまうであろう。買った後、それが特産品ではなくて中国産であることを知ったら、大変落胆すると思うのである。お土産で友達とかにあげたら大恥をかくところである。そもそも、この中国産のさよりを売ることでどの程度の利益が蒲刈町は得られるのであろうか。店舗としての信用、地域ブランドとしての信用を損なうことによる損失だけの利益が得られるとはとても思えない。一度しか来ない観光客相手だから、そんなことをしても構わないと思っているのだろうか。しかし、「海人の藻塩」であれば、馬路村の柚子醤油のように通信販売でも固定客のマーケットが確保できるだけの商品の魅力を具えているのではないだろうか。とはいえ、少なくとも私は、この経験からは、蒲刈町を信用することはできない。「海人の藻塩」以外にも「みかん」や「いちご」といった特産品もあるのだが、とても買えない。というのは、そういう消費者を馬鹿にした対応ができる人達と取引をする気になれないからである。馬路村とは極めて対照的である。

瀬戸内海に浮かぶ島々は風光明媚であるし、その昔、自動車ではなくて船が主要交通手段であった時代には大いに栄えた。この蒲刈町には遊郭があり、その遊郭には舞台もあったようである。そこで女郎はファッション・モデルよろしく、顔見せを一人一人がしていたそうなのである。そのような歴史を有する島々であるが、消費者相手に地域ブランドを確立しようとしたら、真っ当に努力を続けることが必要である。馬路村の柚子もそうだし、夕張のメロンもそうだ。信頼を築くことは大変時間がかかるが、信頼を失うことは一瞬である。蒲刈町などもしっかりとした地域ブランドを確立し、市場で競争力のある商品開発を進めてもらえればと思う。そして、その美しいランドスケープと共存する生活を次代に引き継いでもらいたいと考えるが、あまりにも消費者を甘くみているのではないだろうか。そういうことをしていると、ブランドを確立できそうな「海人の藻塩」でさえ、消費者にそっぽを向かれる日も遠くないと思う。そもそも手法がユニークというのは模倣が簡単であるからだ。まさに産地偽装が大いなる非難の対象となっている現在、なぜ、民間ではなく公共、しかもNPOと謳っているような組織が運営している特産品売場で、そういうことが行えるのであろうか。消費者を馬鹿にするのもいい加減にすべきである。


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