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原発大国であるフランスにおいて脱原発を模索している地方議員の講演を聴く [原発問題]

明治学院大学の国際平和研究所が主催したセミナーに出席した。講演者は、コリンヌ・モレル・ダルルさん(南フランス・ローヌ・エ・アルプ地域圏議会議員)である。ダルルさんは、原発大国であるフランスにおいて脱原発を模索している。

ヨーロッパでは、ドイツは圧倒的に脱原発の道を歩んでいる。ドイツに比べると、フランスは原発大好きな国という印象を受けていた。フランスはそもそも、原子力を開発したのは自分たちであるという考えがある。マリー・キュリーでさえ、フランス的にはフランス人なのだ(ポーランド人だが、フランス人と結婚したので)。しかし、そういうフランスにおいても脱原発という動きがあるというので、ちょっと興味が惹かれたので雪が降る中、足を運んだのである。

お話の中で私が興味を惹いたことを以下、紹介したい。

福島での原発事故以来、3月11日にはフランスでは原発に対する反対運動が起きているそうだ。これも、ドイツが目立っているのであまり、フランスでそのような運動が起きていることは知らなかったが、フランス人でも全員が原発賛成ではないという当たり前のことに気づかされた。

フランスと日本の政治状況には共通する点が多い。日本とフランスは原子力発電大国である。アベノミクスのような考え方はフランスでもある。基本は企業優先の経済政策ということである。

「緑の資本主義」は基本的にはごみ、廃棄物を処理することで、また利益を生み出そうという考えである。ダルルさんの活動は「緑の資本主義」ではなく、「環境社会主義」という考えを持っている。70年代以来から、レーガンやサッチャーなどによって新自由主義が推進されてきたが、地球温暖化、環境破壊が進んでいる中、人間中心主義的な社会を取り戻すオルターナティブな取り組みを志向している政党である。

ダルルさんの所属している政党は、エネルギーに関しては、市民が管理するという方向に持って行きたいと考えているそうだ。フランスでも、エネルコープ(EnerCOOP)という組織があり、これは自然エネルギーのみで発電をしている。また、ネガワットというシンクタンクがあり、ここは原発なしでフランスでも社会は回るということを示していたりする。

とはいえ、フランスでは原子力発電は国家戦略である。福島、チェルノブイリ、スリーマイル事故などは、フランスの原子力政策に影響を与えていないそうだ。フランスも原子力村のようなものがあるそうで、そのロビー活動はマスコミなども含めてとても強力だそうだ。アリバは福島の原子力発電所の事故で莫大なる利益を上げた。つまり、原発が世界的に普及していくことは、原発が事故を起こさなくても技術的コンサルタントとして、また廃棄物処理をすることで利益を出すし、例え事故が起きてもその処理で利益を出す。どちらにしても、フランス経済にとっても大きな利益を生み出すので、それを方向転換させるのは、ある意味で日本よりも難しいだろう、とのことだ。

私が、私の講義を受けていたフランス人留学生が、フランスの原発事故の発表をして、フランスでも原発事故が起きる可能性が高いと言ったことを伝えると、ダルルさんも「全然、起きえる」と回答した。まあ、そういうことなのだろうなと思う。ただ、問題を難しくしているのは、原発事故が起きてもフランスの原子力産業は儲かるということだ。ということで、現状では原発事故を回避させるような経済的なシステムが機能していない。この事故を回避させるシステムをつくらない限り、原発事故はこれから頻発に起きる。この頻発に原発事故が起きる時代を、どのように人類が生き延びていくのか。21世紀の人類の大きな課題であると考える。

最後に、「フランス国家とフランス国民は違うのです」といったのが、日本もまさにそういう点でも同じである。

今日は都知事選だ。レミング都民達の一部が崖に向かって走って行く中、崖ではないオルターナティブの道を選択する機会を、まだレミング化していない我々は与えられている。

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