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神戸市にて景観シンポジウムに参加する [都市デザイン]

 神戸市の景観シンポジウムに参加する。神戸市の景観のキャンパスとなる地形は、素晴らしい。六甲の急峻な山々と瀬戸内海の嫋やかなる海とに囲まれた鰻の床のような土地。遠景としての六甲の山々が近距離に迫る。海と山の距離は3キロメートルもないほどだ。よく、こんなところに100万人もの人が住んでいるものだ。その強烈なるコンパクトさが、限られた平地を極めて高度に活用させている。そして、その地形的制約ゆえの経済活動の活発さが、アジア的な高密なる都市景観を産み出している。さらには、神戸は港町という特性からか、ハイカラな文化をここに育み、どこかしらお洒落で洗練された空気を纏うようになる。私は高校時代、『サード・ガール』という西村しのぶの漫画を愛読していたことがある。彼女の描く神戸は、ひたすらお洒落な大学生の男女を描いていた。そのようなお洒落な若者たちが暮らす街としての舞台としての神戸は、高校生の私には随分と眩しく映ったものである。そのようなお洒落な地区として、よく知られているのは北野になるのかもしれないが、私は旧居留地が結構、気に入っている。旧居留地の街づくりの試みは15年ぐらい前にヒアリングしたことがあるが、その時の人々の努力の成果が現在、随分と実っている。旧居留地は、都市景観という観点からいっても、日本では傑出していると思われる。
 ただし、その旧居留地はウォーターフロントに面しているにも関わらず、国道2号線のビルが邪魔をしていて、ウォーターフロントを見ることができない。アメリカのサウス・カロライナ州のチャールストンが、ウォーターフロントへのビュー・コリドールを確保することを条例で定めたのとは、極めて対照的である。
 そんな国道2号線のビルなのだが、一部だけ、ビルを倒壊して広場にしているところがある。神戸水上警察署のビルである。このビルがなくなったことで大丸のある明石町筋からウォーターフロントを望むことができる。二段の都市高速道路が随分と邪魔をしているが、それでも海がそこに存在していることが分かるだけで数段状況はよくなっている。
 神戸は都市景観の宝庫である。ただし、この2号線のビル群のように景観回廊が確保できていない。そこらへんを都市デザインを実践するうえでの一つの目標とすると、神戸市は世界的にみても素場らしい都市景観を擁する都市になれるのではないかなと思ったりした。都市景観という観点からは、素場らしいポテンシャルを有している都市である。

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(明石町筋からはウォーターフロントを望むことができる)

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(現在は、このように広場になっている)

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(他の筋からはこのように壁やビルなどによって展望は阻害され、そこにウォーターフロントがあることすら分からない)

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(国道2号沿いはまるで巨大なる壁となって、そこにウォータフロントがあることを故意に隠しているようだ)

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(旧居留地の地図。神戸水上警察署がまだ記してある)


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