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トランプが来日した時に、日本政府がハンバーガーを出したことを呆れるアメリカ人と私 [トランプのアメリカ]

トランプが今月の頭に来日した。その時、港区の虎ノ門にあるマンチズバーガースタンドがつくるハンバーガーが供された。このことで、マンチズバーガースタンドは行列ができるほどの人気店になったのだが、この出来事は、アメリカではトランプ政権の御用テレビ局に堕したフォックス・ニュースを除けば、どこも極めて批判的に捉えてあり、たいていトランプを馬鹿にした内容の報道をしている(例えば、トレヴァー・ノアのデイリーショーでは、どこの国に行ってもマクドナルドに入る多文化に理解を示さないタイプとしてトランプを馬鹿にしている。https://www.youtube.com/watch?v=YOfhjDDJUPM)が、なかにはジミー・キンメルのように、せめて肉が日本産なら分かるが、肉もアメリカ産でチーズもアメリカ産で、日本には食文化がないのか、といって日本側を揶揄した発言をしている番組もあった。
 もちろん、ロスアンジェルスに住んでいるジミー・キンメルが日本に食文化がないとは思っていないだろうから、これは痛烈な皮肉かもしれない。確かに、トランプはハンバーガーが好きである。しかも、ケチャップを大量にかけて食べる。ハンバーガー以外だと、ケンタッキーフライドチキンも好きなようだ。要するに、ファストフード好きなのである。ステーキも彼のブランド名を冠したものを出していたことがあったが、すぐに頓挫した。彼はステーキもケチャップをつけて食べる。まあ、ケチャップをつけてステーキを食べることが好きな人がよいステーキと悪いステーキの区別がつく訳がない。そういうことで、何を出しても分からないだろうし、あまりにも豚に真珠なのでお寿司や天麩羅を出したくないのは分かる。しかし、せめて和牛でのハンバーグとかを出せなかったものだろうか。
 この出来事を通じて見られるのは、安倍政権のあまりにも丸出しの植民地根性である。トランプに犬のように尻尾を振って、そのまったく貧相な食の好みまで合わせて媚びて、自国のアイデンティティというか誇りとかを全くみせることもできない、卑屈な姿は、首相が訴える「美しい国」のトップ像からはかけ離れている。
 それに比して、中国は立派であった。トランプの虚栄心を絶妙にくすぐるような演出をしつつ、それはトランプの弱みをつけ込んでいる見事な戦略であることが分かるような、つまりトランプの上をいっていることも周りが理解できる(理解できないのはトランプだけ)ような対応をした。
 そして、食事に関してもしっかりと中国料理をも出している。サウス・チャイナ・モーニング・ポストは、日本がハンバーガーを出したことを引き合いに出し、次のように述べている。

In Tokyo, probably much to his delight, Trump was served a hamburger made from US beef. China was unlikely to be quite so informal as it would want to showcase the best of its cuisine, the source said.

 簡単に訳すと、日本はアメリカ産の牛肉を出したが、中国はそんなにインフォーマルにはできない。なぜなら、中国料理の真髄をお見せしたいからだ。つまり、中国のプライド的なものが、アメリカ産のハンバーグを出すことを許さないということだろう。さすが、「世界の中心」を国名にするだけある。そこには、アメリカの方が上であるという意識はまったく感じられない。

サウス・チャイナ・モーニング・ポストは、次のようにも続ける。

“By serving the best food a country has, the host can make guests more relaxed before they go to the negotiating table.”

 おそらく、日本政府もトランプの三流に合わせず、料理はそれが豚に真珠であっても、最高のものを出せばよかったのである。そして、それをトランプが食べられなかったり、不味い、と言ったりしたら、それはトランプが日本料理を食べるにも値しない人間である、というだけのことである。そして、それは日本料理の価値はまったく損なうことなく、トランプの三流さを世界が再確認するだけである。堂々としていればいいのである。
 トランプはおそらく、日本にはアメリカのハンバーグやチーズ以上の最高の食材はないのだろうな、という認識を持ったであろう。いや、そんなことはない、と思った人はトランプをまだ理解していないのだ。私は、トランプが大統領になってから、一日2時間はMSNBCやCNNを見ているという生活を1年間も続けたので、トランプの世界観のおそろしい矮小さを驚きとともに知っている(そして、貴重な人生の時間を無駄にしている)。
 そして、そのような認識を持ったアメリカ大統領は、ベストな食文化がアメリカのハンバーグであるという風に認識している国に一目置くわけがない。そういう、とんでもない対応を日本政府はしてしまったのではないか、と思うのである。
 現在、マーケティング業界では、オーセンティシティのブランディングが大きなテーマになっているが、日本政府は日本のオーセンティシティの発信のチャンスを大きく損なったどころか、むしろマイナスになるような行動を今回のトランプへのハンバーグ提供でしでかしてしまったのではないだろうか。別に料理でないところで、媚びればよかったのである。料理とか芸術とか、文化面で相手に合わせたというのは政治的にも愚の骨頂であり、さすが中国はそういうことをよく理解している。
 なんか、日本人として情けない気持ちでいっぱいである。
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