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日大のリスク管理のなさは、日大アメフト部ではなくて、教育組織としての日大の妥当性を疑わせる [教育論]

5月6日にあったアメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学との定期戦で、日大の選手がプレー後に悪質なタックルをして関学のクォーターバックの選手を負傷させた問題は、日大にとって最悪の状態へと、内田監督そして日大のリスク管理のなさから突入している。日大は危機管理学部という学部があるそうだが、もはや皮肉というよりかは冗談で笑い飛ばすしかないような状況である。

分岐点は19日にあったかと思う。この日、内田監督は負傷した選手や保護者に遅まきながら謝罪し、その後、「日大の監督を辞任する」との会見を行った。会見では、「全て私の責任」といいつつ、反則をした日大の選手に「反則を指示していない」と言い放った。その前から、アメフト関係者が「あのようなタックルをすることは指示なくしてはまずしない」、「もし、あのようなタックルを指示なくしたら厳しく叱咤され、試合に出られなくなる」と指摘していたことから、「反則を指示していない」と言ったことで、内田監督は「全て私の責任」といいつつ、本質的に自分が教育者として監督して守るべき日大の選手にすべての責任を押しつけたのである。この対応は不味かった。

これによって、信頼していた監督に裏切られた日大の宮川選手が22日、単独で会見にのぞみ「反則行為の指示があった」と述べた。このようなことを一学生に言わせるまで追い込む日本大学という教育組織は、もうここでまともに機能していないと思わせるのだが、それを受けて23日、再び日大本部で内田監督と井上コーチが会見に臨む。そこで、そのような指示を否定した。この対応は本当に不味い。宮川選手に会見をさせてしまった時点でもうチェックメイトされているのだ。基本、宮川選手に会見をさせないよう誠意を示す対応を事前にしなくてはならなかっただろうに、19日の会見での誠意のなさが、宮川選手を表舞台に出させてしまった。もう、ここで堪忍して、日大も内田監督ではなく、理事長が出てきて収拾を図るような対応をしなくてはならなかったのに、また、ここで内田監督が会見をして、火に油を注いでしまった。

宮川選手は日本を代表する選手であった。彼が辞めることを受けて、内田監督は「こんなにも(アメリカンフットボールを)嫌いになってしまうのか」と会見で述べたが、彼が嫌いになったのはアメリカンフットボールではなくて、日大のアメリカンフットボール、内田監督のアメリカンフットボールである。この発言を知り、私は、まだ内田監督はこの一件がこれほどまでも世間の耳目を集めている本質を理解していないような感想を抱いた。

そして、私を含む知り合いの大学関係者も、もはや日大のアメリカンフットボール部ではなくて、日大という教育組織へ不信の目を向けている。というか、自らの学生を自己保身のために切り捨てることを、これだけ世間が注目されている中でよくやるな、ともう呆れかえるしかない。親としては、そのような大学には子供を預けたくないし、同じ教育関係者としては許せない気落ちを抱かせる。良心をもって教育や大学校務、研究などに勤しんでいる日大の教職員には同情するが、そのような良心も吹っ飛んでしまうようなとんでもない状況に日大はおかれていると思うし、そういう危機意識をもって対応しないと日大のブランドは地に落ちると思う。

23日の会見で司会をした職員が会見を打ち切ろうとしたところ、報道陣が「あなたの発言で日大のブランドが落ちますよ!」と言われると、それに対し、「ブランドは落ちません」とクールに言い返したそうだが、もう日大のブランドは失墜している。というか、ブランドというレベルではなくて、果たして教育組織なのか、と問われるぐらいの失言を23日にはしてしまったのではないか、と私は思っている。

いろいろと不愉快な思いも多いが、私も教育者の端くれとして、「他山の石以て玉を攻むべし」と気持ちを新たに、自らの大学教員としての仕事に励もうと思う。今日は、新たなゼミ生の選考日である。14人定員のところ23人ほどが応募してくれた。しっかりと、うちのゼミを選んだことを後悔させないように指導すると同時に、彼ら、彼女らを守らなくてはいけないなとも思う。

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