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ジョージ・オーウェル『1984』 [書評]

ジョージ・オーウェルの『1984』をようやく読破した。彼の『アニマル・ファーム』は高校時代に読み、大変、感銘を覚えたことや、デビッド・ボウイの佳曲『1984』とかも好きだったので、読んでおけばよかったのだが、これまで読み損ねていた小節である。さて、今回、なぜわざわざ読もうかと思ったのかというと、それはトランプが大統領になった直後、アメリカでこの本がベストセラーになったからである。
 さて、『1984』で描かれる世界は真実を伝える術がなく、権力側が自分達の都合がいいように現在の情報だけではなく過去の情報まで編集してしまう。マスコミをフェイク・ニュースと呼び、「国民の敵」とまで言い放つトランプとその支持者はまさに『1984』をつくりあげようとしている勢いであるが、彼がこのような動きを見せるようになったのは当選してから数ヶ月経ってからである。『1984』は当選直後にベスト・セラーになったので、アメリカ人の多くは、真実を歪めて自分の都合のいい情報を流そうとするトランプの危険性を選挙直後に気づいていたということだろうか。私はトランプの大統領当選を極めて大きな危険を孕んでいるなと当選当時から捉えていたが、『1984』を読んだ今であっても、さすがにこのフィクションで描かれる世界のような事態になるだろうとは当時でも到底、思っていなかった。そのように考えると、アメリカ人にも相当、鋭い人達がいるな。
 しかし、鈍い私でも現在は違う見方をしている。トランプが「史上最高の経済成長率」、「リンカーン以来の傑出した大統領」、「プエルトリコのハリケーンでは非常に適切な災害後対策をした」などの出鱈目を言い続け、その嘘を指摘するマスコミをフェイク・ニュースと言い放つトランプは、まさに『1984』の悪夢を彷彿させるし、さらに彼の「嘘」を支持し、「真実」を駆逐しようとする人々の狂気は、人間がいかに醜悪で弱い存在であることを思い知らされる。
 『1984』では、次のような文章がある。
「もし彼が床から浮かぶと思い、そして同時にわたしも彼の浮かんでいるのが見えると思うなら、そのときにはそれが現実に起きていることになる」
 トランプの支持者はまさにそのような精神状況にあるのだろうし、第二次世界大戦に突入する前の日本人もそのような状況にあったのかもしれない。どちらにしろ、この3割近くの国民がロシアによる集団心理操作によって真実が見えなくなってしまったアメリカの行く末には恐ろしい結末が待っていそうだし、その影響は日本も免れないであろう。というか、最近の安倍総理の経済統計指標を変えて経済成長を実施よりしているように見せるせこさとか、もりかけ問題での厚顔無恥にも嘘を言い放つところとか、ミニ・トランプ化していないか。対岸の火事ではなくなる可能性も低くはない。

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