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『ティール組織』 [書評]

フレデリック・ラルーの『ティール組織』(原題はReinventing Organizations)を読む。これは、人類の組織の発達段階は、現在「進化型(ティール)」という新しいモデルを提示するまで進化しているという仮説のもと、実際、この「ティール型」の企業・組織などの事例を紹介し、その特徴、さらにはそのような組織の作り方までも提案している。上記の観点で、同書は3つの部から構成される。「歴史と進化」、「進化型組織の構造、慣行、文化」、「進化型組織を創造する」である。訳本でも500ページに及ぶ大作であるが、この『ティール組織』というモデルが新たに出現しており、それを実際、応用している組織があるというのは非常に興味深い。そして、このような組織が出現した背景には、成長の限界、地球資源の有限性、さらには組織管理の非人間化などがあるということだ。あまり明るい未来が展望しにくい現代人であるが、このような持続可能な組織モデルが創造され、量的ではない質的な豊かさに価値観が転換することで、人類はまだまだ滅亡しなくてもいいかもしれない、という楽観的な展望を抱くこともできる。
 私が働いている職場は、結構、ティール組織的なところがあり、それはホールネス(全体性)、自主経営、存在目的というブレイクスルーをそこそこクリアしていると思われる。全体性は自分の価値観と職場の価値観とにズレがないことである。これは、採用するうえで、組織の価値観と合う、もしくは合わせられる人を採るように留意しているからだと思う。あと自主経営は、大学の学部運営というのが本質的に具えている特徴であり、それをしっかりと私が所属している学部は維持している。これは、前任校とは随分と対照的である。なぜなら、前任校は学部長が独裁政治を遂行し、反対意見を力尽くで押さえるようなことをしていたからだ。そして、存在目的だが、これは組織のコンセプトを「チーム政策」と掲げ、しっかりとした大学教育を施すために、教員・職員だけでなく学生をもチームとして捉えて、その目的の遂行に邁進している。これが、結果的に学生の満足率82%に繋がっているかと思われる(前任校は26%であった)。私が経験した二つの大学の組織を比較すると、現在の職場は『ティール組織』的な条件を相当、クリアしている。それが、おそらく現在の職場がうまくいっている大きな理由の一つではないかと思ったりもする。この点に関しては、また研究をしていきたいと思っている。たいへん、興味深い視座を提供してくれた本である。

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

  • 作者: フレデリック・ラルー
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: 単行本



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