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崇德村の林盤 [グローバルな問題]

崇德村周辺には林盤という農業村落コミュニティが分散されてある。これらは大体10戸から100戸単位で、経済単位であるだけでなく社会単位でもあるそうだ。これらの林盤は、ライバル関係にもあり、特に水利権などでは交渉単位になっているようだ。
 この林盤は前近代的なシステムであると中国政府は判断をして1980年頃から、農地拡大という名目で市街地へと強制移住させる政策をとってきた。市街地へと移住させられた農民は生業であった農業を止めることになるが、代わりに補助金をもらえるので生活をすることはできる。居住先の市街地の住宅は二階建てで一階は商いができるようなつくりにっているが、農家を辞めて商業をするのはよほどの才覚がないと難しいであろう。結果、崇德村の市街地にあるこのような建物の1階はシャッターが閉まっている。いわゆる日本のシャッター商店街は、客が遠のいて店を閉じてしまった訳だが、こちらのシャッター商店街はそもそも最初から店をやっていない。
 さて、そのような元農民が市街地に住むようになって何をやっているか、というと麻雀である。朝からやっている。若者がそもそもいないので、やっているのは高齢者である。女性も多い。麻雀自体は、成都でもよくやられていて、そもそもこの地方では相当親しまれている遊戯ではあるのだが、ここ崇德村はちょっと異常に近い。雀荘の数も半端ではない。10軒以上はある。カフェというか、簡単な食事処よりも多い。崇德村の人口は4000人であることを考えると、また雀荘以外でも麻雀はやられていることを考えると凄まじい、そして、彼らはよく観察すると賭け金が結構、多い。彼らの平均年収は18000元。すなわち、27万円ぐらいであるが、平気で20元札や50元札が行き交っている。ちょっとギャンブル依存症になっている高齢者が多そうで他人事ながら心配だ。また、ちょい悪風情のおじさんがおばさんからふんだくっている様子も見られる。ギャンブルは犯罪の温床にもなる。見ていてこの状況は心が痛い。
 林盤を前近代的であると判断したことは政策的には間違いであると中国政府も最近になって気づいたそうだ。とはいえ、まだ残っている林盤に住んでいる住民に話を聞くと、中国政府がお金を払ってくれるのであれば、市街地へ引っ越したいと言う。何か大切なものを失っているようにしか思えないのだが、それは傍観者の戯言にしか過ぎないのであろうか。

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「林盤の住民に取材をする四川大学の学生達。おばさんもチベットに出稼ぎに行ったことがあるそうだ」

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「林盤の中を通る道」
タグ:林盤
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