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『ひいくんのあるく町』 [映画批評]

京都の素晴らしい映画館「出町座」で『ひいくんのあるく町』という映画を観た。若干23歳の青柳拓氏の作品である。これは、監督の故郷である山形県市川大門町に住む、知的障害のあるおじさんの暮らしを追ったもので、それによって地方のコミュニティのヒューマニティを感じる優れたドキュメンタリーとなっている。市川大門町は、身延線では比較的重要な駅で、特急列車「ふじかわ」も停車する。しかし、この市川大門町は2005年に市町村合併されており、この貴重な地名は風化されつつある。
 風化されているのは、コミュニティもそうで、これは合併した後の市川三郷町の人口動向であるが1960年の24000人程度から一貫して人口は減少し続けており、現在は14812人である。このように人口減少している地域であるが、しかし、そこで日々、暮らしている人達は、諦観しつつも前向きであり、立ち止まっていても肯定的である。その静閑かさが、観るものの心を打つのと同時に、日本の地方のコミュニティの持つ経済とは無関係な、価値のようなものを感じさせてくれる。そして、その町の価値は、ひいくんのそれとシンクロしている。それが、この映画を感動的なものにしている。

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